- Introduction
- ブルックナー交響曲第5番変ロ長調
- ベルナルド・ハイティンク:バイエルン放送交響楽団
- ベルナルド・ハイティンク:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- カール・シューリヒト:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- クリスティアン・ティーレマン:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
- クリスティアン・ティーレマン:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- クラウディオ・アバド:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- エリアフ・インバル:東京都交響楽団
- オイゲン・ヨッフム:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
- ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー:読売日本交響楽団
- ギュンター・ヴァント:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
- ギュンター・ヴァント:北ドイツ放送交響楽団
- ハンス・クナッパーツブッシュ:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- ヘルベルト・フォン・カラヤン:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ジョナサン・ノット:東京交響楽団Coming Soon
- ロリン・マゼール:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- ニコラウス・アーノンクール:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- ペータ・マーク:東京都交響楽団
- セルジュ・チェリビダッケ:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
- スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ:読売日本交響楽団
- 尾高忠明:大阪フィルハーモニー交響楽団
- 朝比奈隆:新日本フィルハーモニー交響楽団
- 朝比奈隆:大阪フィルハーモニー交響楽団
- 朝比奈隆:東京都交響楽団
Introduction
はじめに
ここの記事で書くほどでもないが、私が思い描く聴き比べを中心とするクラシック音楽のブログを書くためにはどのような構成にしたら良いのかずっと私の課題であった。私自身のクラシック音楽の醍醐味は「聴き比べ〜比較と検討〜」ができることにある。同じ楽器を使って演奏するにも関わらず、オーケストラや指揮者が違えば全く違う音楽になることも珍しくない。数が多ければそれだけ比較の対象が多くなるということである。
一方で、私自身は感じたことや思ったことは詳細に著したいのである。数行で終わるような感想ではなく、各楽章ごとに印象に残る部分は全て表したいのである。この結果、以下のようにかなり長大な文章になってしまう。「凄まじい情報量だ」と言われたこともあるほどであるが、個人的にはかなりクラシック音楽を聴いてきた人に向けて新たな発想や納得考えられるような文章を書いている。ここで問題なのが、「聴き比べの対象となる演奏の数×長大な文章」はとてつもない記事になってしまうのである。
そこで、考えたのが一覧表みたいな記事を別途作成し、そこに書いてきた演奏の記事を貼っていく方針にした。そうすれば、一覧表の記事を入口としてここの演奏の評価にアクセスできるのではないかと考えた。
概説
いよいよ、ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調を書く時がきた。もし私に「ブルックナーの中でも最もブルックナーらしい作品は何か?」という問いを立てたら、この「交響曲第5番」と推薦する。第1楽章と第4楽章の荘厳で巨大なフーガはパイプオルガンのような響きであり、ブルックナー特有の重厚さが素晴らしいのだ。その結果、第2楽章と第3楽章の印象が少し薄れた印象でありが、第2楽章の副主題の美しさ、第3楽章の野生的な荒々しさがいい。全体的な充実さは交響曲第8番や第9番の方が優れているかもしれないが、ブルックナーらしさはこの交響曲第5番が最も出ているだろう。さらに、ブルックナーはこの交響曲第5番のことを「対位法上の傑作」と称したとされている。
この作品は1875年12月14日に第2楽章から書き始められた。その後、同年3月3日に第1楽章を書き始め、4月17日にスケルツォ主部が終了し、6月22日にトリオが終了、その翌日である6月23日から1876年5月16日にフィナーレが完了した*1。
そして、ブルックナーといえば版の問題がある。特に交響曲第4番と交響曲第9番はいくつもの版があり、同じ曲でも多数の種類が存在し、混乱を招くことさえある。その原因として、その作品の初演の評判や自分自身の性格上の問題もあった。しかし、この交響曲第5番の初演はブルックナーは健康上の理由で居合わせることができなかったとされている*2。そのため、初演上の評判を知ることができなかった。さらにいうと、ブルックナーは生涯にわたってこの作品を実演を聞くことができなかったのである。その結果、ブルックナーは交響曲第5番を改変することはなく、版の問題は生じなかったため、「ハース版」「ノヴァーク版」といった大きな問題点は生じなかった。また、1937年にロベルト・ハースが自筆稿を元に復元したスコアが出版され、その後1951年にレオポルド・ノヴァークが自筆譜の再検討を加えたものを出版したが、どちらも当たった資料は同じだったという理由もある*3。実際のところノヴァーク版はハース版の誤植を訂正したに過ぎない*4。
しかし、この交響曲第5番にはブルックナーの弟子であるフランツ・シャルクが改訂した「シャルク版」が存在する。そして、初演は1984年4月9日に弟子のフランツ・シャルクがこの交響曲第5番を指揮したが、その時に用いられたのはこの「シャルク版」であった。皮肉なことに初演の成功の様子はフランツ・シャルクがブルックナーに興奮気味で手紙を送ったが、その初演は弟子の「シャルク版」であった。しかし、この「シャルク版」はあまり評判は良くなく、オーケストレーションをロマン派的に書き直し、カットによって形式を破壊した「改竄版」という批判に晒され、演奏の現場からは姿を消すことになったのである*5。この「シャルク版」について最も著名な指揮者は、ハンス・クナッパーツブッシュである。この交響曲第5番だけではなく、あらゆるブルックナーの交響曲は改訂版を用い続けてきたハンス・クナッパーツブッシュの演奏はブルックナーの作品を考察する上で非常に貴重な音源資料なのでもある。
ブルックナー交響曲第5番変ロ長調
ベルナルド・ハイティンク:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
評価:9 演奏時間:約77分
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カール・シューリヒト:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Coming Soon
クリスティアン・ティーレマン:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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クラウディオ・アバド:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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オイゲン・ヨッフム:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
評価:6 演奏時間:約76分【中野雄先生推薦盤】*6
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ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー:読売日本交響楽団
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ギュンター・ヴァント:北ドイツ放送交響楽団
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ハンス・クナッパーツブッシュ:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Coming Soon
ヘルベルト・フォン・カラヤン:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Coming Soon
ロリン・マゼール:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
評価:7 演奏時間:約76分
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ニコラウス・アーノンクール:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Coming Soon
ペータ・マーク:東京都交響楽団
Coming Soon
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ:読売日本交響楽団
Coming Soon
尾高忠明:大阪フィルハーモニー交響楽団
評価:8 演奏時間:約71分
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朝比奈隆:新日本フィルハーモニー交響楽団
Coming Soon
朝比奈隆:大阪フィルハーモニー交響楽団
Coming Soon