鵺翠の音楽の世界と読書の記録

クラシック音楽を趣味とする早大OB

〜備忘録〜【日本フィル】第695回東京定期演奏会 in サントリーホール

プログラム

ラウタヴァーラ:In the Beginning

  • エイノユハニ・ラウラヴァーラは、20世紀から21世紀初頭にかけて、フィンランドのみならず、現代音楽全体を牽引する存在として大きな、そして穏やかな存在感を放ち続けた。
  • 作風は作曲年代に大きく変遷したが、戦後直後に十二音音楽の流れを汲むセリー主義による作品を発表した最初期から「ブルックナーのような音響」と呼ばれていた。
  • 本作品を委嘱したピエタリ・インキネンが、ブルックナー作品を指揮する際に、いわばその「前奏」としてラウタヴァーラの作品を披露するのは、同郷の偉大な作曲家を紹介するという以上に、両者の生きた精神世界が近しいものであることを十分熟視しているからだろう。

(プログラムの曲目解説、廣瀬大介先生の記述を引用・抜粋)

ブルックナー交響曲第5番変ロ長調

  • 1878年に完成するが、演奏の機会には恵まれず、交響曲第7番ホ長調が演奏される1884年以降には、それ以前に作曲された演奏も進んでいくが、交響曲第5番だけはその対象とならなかった。
  • 1984年にグラーツで初演された際は、弟子のフランツ・シャルクによって大幅な改変が加えられ、20世紀半ばに校訂版が作成されるようになるまでは、このシャルク版によって交響曲第5番変ロ長調は伝えられてきた。演奏の機会が生前にはこの一度しかなく、しかもその際に作曲家は立ち会えなかったため、生前にブルックナーは本作に完成後の改変をほとんど施していない。
  • この作品で、ブルックナーが目指そうとしたことは数多くあるが、交響曲第9番ニ短調に至る全ての交響曲を考慮に入れても、作曲家が生涯をかけて追い求めた交響曲の理想ぞグア、最良のかたちで実現している傑作である。

(プログラムの曲目解説、廣瀬大介先生の記述を引用・抜粋)

 日本フィルハーモニー交響楽団首席指揮者ピエタリ・インキネン。私が上京して初めて聴きに行ったコンサート。当時ピエタリ・インキネンは眼鏡をかけて指揮をしていた記憶がある。
 ブルックナー交響曲第5番は壮大で素晴らしい演奏だった。