Introduction
今回もヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容を取り上げる。本作品についての概要については以下の記事を参照されたい。
law-symphoniker.hatenablog.com
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
カール・ベーム:シュトゥットガルト放送交響楽団
評価:8 演奏時間:約21分
第1楽章:Allegro
1951年のモノラル録音であるが、音質は極めて良好であり鑑賞として全く問題ない。冒熱気を帯びた切れ味鋭い弦楽器の音色が響き渡り、元気一杯のベームの演奏である。決して地味という言葉は全く似合わない。大迫力の第1楽章の主題には圧倒されることに違いない。
中間部のオーボエ等の部分は非常に楽しげであり、テンポも活発的である。ノリノリのテンポであるが、ベームの音楽からは想像し難い。
第2楽章:"Turandot, Scherzo", Moderato - Lebhaft
セルと比較してテンポは遅い。しかし、クレンペラーのような遅さではなく、標準的なテンポである。
低弦楽器が主題を演奏し、少しずつ賑やかになっていく。金管楽器が加わると熱を帯び、燃え盛るベームを実感することができる。1950年台のベームはフルトヴェングラーに近いような熱狂さがある。そして、ドイツ系オーケストラを実感させるようにトランペットの音色も少し柔らかい音色を響かせる。
中間部では、ジャズ風のリズムを伴って演奏されノリが良い部分である。ノリ良さが際立つ部分をベームはどのように指揮するのか気になるところである。しかし、ベームは厳格ながらもノリの良さを十分に引き出し、複雑な部分がある部分も難なく明晰に演奏されている。これは、セルとはまた違ったアンサンブルの良さがある。
最終部では、主題が繰り返されるが再びベームの熱が帯びている。モノラル録音ながら迫力は十分!!