鵺翠の音楽の世界と読書の記録

クラシック音楽を趣味とする早大OB

【書評】『踏切の幽霊』高野和明

introduction

 9月に入り、いよいよ秋の季節となりました。読書の秋です。といっても、厳しい残暑が続きますが…。
 クラシック音楽についての記事を多く書いていますが、実は読書も趣味の一つです。ここ最近時間ができるようになって、電車の移動中によく読んでいるのですが、初めて書評というものを執筆してみようと思い、書いてみることにしました。

本のかんたんな紹介

本のタイトル・出版社

作者

あらすじ

マスコミには決して書けないことがある――

都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。
同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいた。
雑誌記者の松田は、読者からの投稿をもとに心霊ネタの取材に乗り出すが、
やがて彼の調査は幽霊事件にまつわる思わぬ真実に辿り着く。

1994年冬、東京・下北沢で起こった怪異の全貌を描き、
読む者に慄くような感動をもたらす幽霊小説の決定版!

 ということで、初の書評は『踏切の幽霊』(高野和明)です。

なぜこの本を読んだのか

 読書の動機として、この本を購入したのは丸善・丸の内本店です。その本棚にこの本が平積みで店頭に並んでおり、そのインパクトは非常に大きいものでした。もともと、私は心霊ものといったオカルト系は好む傾向にあるので、この表紙を見て何かに惹かれる(取り憑かれる)ように手に取って購入しました。

自分の考えや本への想い

 この作品の主な舞台は下北沢三号踏切という場所です。小田急小田原線が登場するということで、小田急電鉄ユーザーからすれば何か身近に感じる不思議な物語です。実は私は上京してからずっと小田急を利用して通学していたので、ものすごく身近に感じました。
 そして、下北沢駅付近の踏切が舞台となっていることから、世田谷代田〜東北沢が地下化する前の時代の話になります。
 主人公は『月刊女性の友』という週刊誌の記者をしている松田法夫です。松田とカメラマンの吉村と共に、警察官とともに下北沢三号踏切に映った謎の白い女について真相を突き詰めるというストーリー。しかし、午前1時3分に起こる身の毛もよだつ怪奇現象にあなたは何を思うか…。
 そして、最後に謎の白い女について真相が明らかになった時は、ものすごく感動しました。テレビ番組の「本当にあった怖い話」の良い話バージョンのような物語です
 ミステリー系な内容なのでネタバレ防止のため、ここまでに留めておきます。

まとめ

 私自身小説が好きでたくさん読んできましたが、鉄道マニアということもあって西村京太郎先生の十津川警部シリーズ本当に大好きでよく読んでました。今でも読んでます。
 しかし、西村京太郎先生が亡くなり、十津川警部シリーズもかなり読んできたので別途新たなジャンルを読んでみようということで、今回初めてホラー小説というものを読んでみました。

 厳しい暑さが続く今日、小説という文字から読者自身の世界の物語を形成するという醍醐味の中、怪奇現象に慄きながら涼しむのもいかがでしょうか……。