Symphonikerの音楽鑑賞日記

クラシック音楽を趣味とする早大生

法科大学院入試でやっておけばよかったこと

f:id:grun-Symphoniker:20210705233605j:plain

初めに

 2年生春学期も終盤に差し掛かり、期末試験対策に追われている日々であります。
 勉強しなきゃいけないのですが、少々気分転換がてら執筆します。

 大学は全ての科目の定期試験が終了すると突然夏休みに突入します。終業式(懐かしい響き)というものはありません。

 さて、私も定期試験が終了すれば夏休みなのですが、もちろん勉強しなければいけません(遊びに行きてー)。まあ、司法試験の過去問を徹底的に行うことを予定しています。
 そして、夏休みといえば、私立ローの入試が始まりますね。国公立は秋頃試験があります。
 後述のように、私は5校中受けて4校合格しました。そのうち2校は入試成績上位者(20番以内)ということで、全免を受けました
 実に輝かしい成績、と思われますがやはり5校中5校、「全部合格したかった」という気持ちは今でも残っています。そこで、残り数ヶ月ですが、何か「激励の言葉」と言えるかわかりませんが、何かお役に立てればと思って記すことにいたしました。
 もっとも、私が受験したときは、新型コロナウイルスが大流行し、パンデミックを起こしていた頃の受験だったので試験時間が短縮して行われました。「そもそも試験やってくれるのかな…?司法試験ですら延期したのに…」という不安に悩まされながらの受験でした。今年はどうでしょうか?

受験校

 私が受験した法科大学院は以下の5つ(全て既修)。国公立ローは受験しませんでした。その理由は後述します。

明治大学法科大学院

 明治は合格(全免)しました。法学既修者は3科目受験(憲法民法・刑法)5科目受験(先ほど3法に加え、行政法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の4科目のうち、任意に2科目選択があります。私は、後者、5科目受験(選択は民事訴訟法と刑事訴訟法)しました。そして、明治のみ、新型コロナウイルス感染防止対策として試験時間が短縮されました。
 明治の特徴として、民法民事訴訟がかなり難しかった記憶があります。
 民法はただでさえ時間がないのに(60分)で事例問題2問、そして各設問2問。見たこともない条文を指摘する(確か債権譲渡、466条の◯みたいな)問題であり、答案着手まで相当時間を費やした記憶があります。民法改正箇所を真正面から問うてくる…なんで??
 確か、答案用紙にあらかじめ設問番号が割り振られていたので、そこに論述していくのですがろくに時間が足りず、それぞれ4〜5行くらいしか書けなかったですね。
 ※私は後ろの方の席だったのですが、答案回収される際に裏面が白紙答案や真っ白の答案も多数ありました…。
 民事訴訟は、相殺の抗弁フルコースだった記憶があります。別訴で提起している債権を相殺の抗弁として供することは、民事訴訟法142条(類推)になりませんかね??というあれです。
 さまざまでしたね、上記のような単純な事例から、反訴提起した場合は?上訴の利益は?という問題が出題されました。「じょーそ!?」そんなもの出すのかよ…。民訴法のテキストや基本書の後に書いてあるやつね。
 形式的不服説を適当に書いて誤魔化したような記憶がありますね。反訴提起の場合は「予備的反訴になる」というキーワードがあるのであれで対処できましたね。
 憲法・刑法・刑事訴訟法は標準的な問題ですね。憲法自画自賛するほど綺麗に答案が書けた気がします(笑)。そして、刑法は当然のように共犯が出題されます

 また、明治大学は試験日が他校に比べて早いので(確か今年は、8月1日?)滑り止め感覚で多くの受験生が会場にいたように思います。
 まあ、実際私は明治大学は滑り止めだったので…笑。そのような人は多いと思います。それに加えて、民法がゴミみたいな答案書いても他の科目でしっかり論述できれば合格・ましてや全免もとることができたように思います。
 本当に民法が難しかった。

法政大学法科大学院

 法政は合格しました。法政は5科目(憲法民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法ですが、そのうち民事訴訟法と刑事訴訟法短答式試験論述式試験が選択できます(私は論述式試験を選択)。
 ※正直なところ、法政は明治の滑り止め的な感覚で受験したのであまり印象に残っていないんですよね…最悪ここしか受からなかったらここに、という感覚でした。(法政関係者の方申し訳ありません)。
 法政は刑法が印象が強かったですね。「過失の共同正犯」が出題された記憶があります。飛行機のニアミス事件ですね(監督過失も問題となる)。
 幸い、私は過失犯論はそこまで苦手意識はないのですが過失の共同正犯は正直驚きました。
 憲法職業選択の自由憲法§22)の問題であり、いわゆる公衆浴場距離制限の規定の合憲性について論述させる問題でした。まさか、誘導がついており、単純に立法事実の変化などを論じれば良かったので、60分の試験時間でしたが35分で解いた記憶があります。論述も答案用紙7割程度だったので全く心配してませんでした。

早稲田大学法科大学院

 さて、現在通学している早稲田大学法科大学院です。当然合格しました。
 明治、法政と受験して慣れているかと思いきや、やはり緊張しましたね。
 早稲田大学法科大学院は色々と特殊な要素が多く、まず二日制、民法の得点割合、憲法判例などが挙げられるでしょう。
 有名な話ですが、早稲田大学民法の得点割合は他の科目に比べて非常に高いのです。

民法:180点
刑法:120点
憲法:100点
民事訴訟法:80点
刑事訴訟法:80点
(商法:80点)←2022年度入試から導入。*1

 私が受験した時と得点割合が異なってますが、いずれにせよ民法の点数配分が高いことには変わりません。早稲田の特徴として、家族法も出題されます。利益相反行為、遺言、特定財産に関する遺言の執行などが出題されています。従って、民法家族法まで勉強する必要があります。ただ、過去問で出題された内容・論点を潰しておけば大怪我することはないかと…。
 私が受験したときは家族法は出題されず、不法行為法を真正面から問う問題が出題されました。2〜3年おきに出題されるようですね。去年不法行為方が出題されたので今年は家族法が出題される可能性が高いですね。
 反省点としては、民法全体を意識しすぎたせいか、賃貸借契約など主要な分野を丁寧に仕上げることができなかったので取りこぼしがありました。民法の全体を仕上げるとともに、抵当権や賃貸借契約など超重要範囲についてはしっかりと潰しておきましょう
 そして、憲法判例ですが、よく適用違憲が問題となる判例が出題されます。私の年はよど号ハイジャック事件が出題されました。よど号ハイジャック事件と聞けば、そう「相当の蓋然性」基準ですね。後日、Twitterで早稲田ローのツイートを見ていたんですけど、書けなかった人多かったようですね。
 重要判例であるし、有名な基準なのに…。
 あとは、最初に述べたように早稲田は二日制です。体力の消耗が激しくなりますが、最後まで頑張ることです(精神論。私の場合は、早稲田の前日に法政の試験があったので、三日連続試験でした。
 ※今年から「商法」が出題されます。早稲田大学法科大学院を受験する方は不安かと思います。しかし、過去問がなく、対策を立てにくいというのは受験生全員が共通してるので「みんな同じ思いをしてる」ことを忘れないようにしてください。対策法としては、慶應義塾大学法科大学院の過去問を徹底的に研究することでしょうか。
 私だったら、それを徹底的にやりますね。

中央大学法科大学院

 法科の中央こと、中央大学法科大学院です。中央大学合格(全免)でした。
 中央大学法科大学院6科目(憲法民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法です。中央大学の特徴はなんといっても、行数制限です。
 刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の4科目が表面(30行)のみで論述しなさい、との指示があります。答案用紙のサイズはおそらくB4サイズなので、ちょっと大きめのサイズです。そして、憲法と刑法、民法と商法、民訴法と刑訴法は同一の試験時間で行います。
 これだけ聞くと、「大変そう…」と思うかもしれませんが、案外そうでもありませんでした。予め、最初に解く科目を決めておくと良いでしょう。
 私は「憲法が先」「商法が先」「民訴法が先」と決めていました。各自で決めると良いでしょう。
 まぁ、私の年の憲法はクセの強い問題でしたね。出題趣旨も何をどのように論じていれば良いのか書いてありませんでしたから…。いつか再現答案書こうと思っていますがなかなか時間取れませんね。
 やはり、刑法の論述が多くの方が気になっているようです。30行指定ついてるのでそんなにたくさん論述することはできません。しかし、厄介なことに論証が長くなりがちな論点に加え、共犯関係であることがより一層難しさを感じますね。
 なので、論述するときは以下のポイントを押さえておくと良いと思います。①字を小さめに書くこと、②論証等の理由づけは最低1個くらい(短い理由づけの方)にとどめて書くこと
 あまり小さい字はかえって読みにくくなるので社会通念上許容する範囲内の程度で論述しましょう。「I先生なのか、S先生なのか、T先生なのかわかりませんが、頑張って読んでください」と思いながら論述してました。
 そうしたら、7〜8割程度埋まったので、ちょうど良い文量におさまったので上記方法が良かったようです。
 何より、私が受験した年の民法の問題が非常に良問でした!ぜひ一度解くことをお勧めします。
 私自身の感想としましては、「絶対に受かった!」という自信に満ち溢れていました。最後に論述した科目が刑事訴訟法だったのですが、最後の「以上」かくあたり、手が震えていたことを記憶しています。

慶應義塾大学法科大学院

 慶應不合格でした。いや、全く手応えがなかったです。
 慶応の最大の特徴はとにかく時間がない!!特に、憲法と刑法が一番厳しいと思いますね。一緒に解答しなければならないのですが、試験時間が100分なので単純に50分+50分で解答するのがベストですが厳しいですね。
 私が受験した年は、憲法財産権。刑法が誤想過剰防衛でした。まさかの財産権かよ…。そして誤想過剰防衛は犯罪論全体を通じて論じなければならないので、かなり論述が長くなる傾向にあります。本当に途中答案にならないことで必死でした。
 慶應の問題は、問われていることは難しくない(テキストや基本書に載っているようなこと)のですが、問題文の事実からその知識までの距離がかなりある感覚でした。おそらく、私が論点主義だったからなのでしょう。
 振り返れば、民法は契約不適合責任、刑訴法は訴因変更の可否。なんで気がつかなかったんだろう?と疑問を呈すばかりです。慶應の問題は論点主義の人はうまく解けないように作っている可能性が懸念されているのではないでしょうか。

反省点

 慶應義塾大学法科大学院の試験に落ちたこと、早稲田大学法科大学院の授業受けて思ったこと、それは基本を忠実に勉強すること、だと思っています。
 「なぜ民法94条2項の『第三者』の解釈論を展開するのか?」「なぜ因果関係が問題となるのか?」という問題の所在を意識することはもちろん、「何条のなんという文言が問題となるのか?」は論点・論証を勉強するときは絶対に外してはならない視点だと思います(し、今で思います)。
 もう一つ、「条文の文言に当てはめられるか」ということです。まさに、中央大学法科大学院民法の問題がそうでした。せいぜい、95条2項の解釈論が論点として登場するだけであって、他は全て条文の文言に事実を評価し、結論を導き出せるかという問題でした。論点・論証を書けるようになるより、まずは条文の文言に事実を評価して結論を導き出せるか、の方がかなり重要だと思いますし、最も基本的なことだと思います。常日頃から「基本を忠実に勉強をすること」を意識して勉強した方が良いと思っています。
 最後に、現在「やっておけばよかったな」と後悔していることがあります。それは、東京大学法科大学院の試験を受けておけばよかった、と思っています。
 東大ローは外国語のスコアが必須なのですが、コロナの影響でTOEICなどの外国語の試験が実施できない影響で外国語のスコアは任意提出となっていたのです。もっとも、あの東大ですからひょっとしたら書類選考で落とされてしまう可能性は大きいです。しかし、願書は提出すべきだったですかね。
 東大ローを受験しなかった理由として、国公立を受験する体力・気力がなかったことがあります。先述したように、私たちが受けた年は新型コロナウイルスという未知の恐ろしい病に怯えていた頃であり、「そもそも試験やってくれるのかな…?司法試験ですら延期したのに…」と思っていた頃でした。大学は閉鎖され、いつも図書館で勉強していたのに使用できず、勉強に集中できる環境がないとして非常に辛かったです。もちろん、しっかりと問題を解くことができるかという不安もありますが、それに加えて、試験が実施されるのか、新型コロナに罹患して受験できなかったらどうしよう、クラスター発生したらどうなってしまうのだろう…という不安でいっぱいの中受験しました。
 しかし、「みんな同じ」ですからね。何1人で喚いていたのか今思うと少し情けないように思います。東大受けておけばよかったかな〜?と思っていますが、現にあの時の自分に出会って「東大受けろ」と言っても多分受けなかったと思います。
 なので、私立ローだけと考えている人でも、国公立は視野に入れて勉強してほしいと思います。国公立は行政法も試験科目となっていることが多いです。一方私立ローは行政法が試験科目となっていることが少ないので、万が一私立ローに入学することになっても行政法を勉強していた経験があるということは、かなりの力の差になると思います。
 なので、もう一度、国公立ローの受験も視野に入れて考え直してみてください。どこでも良いです。一橋、東大、京大、神戸大…。
 以上が私の反省点、やっておけばよかったことです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。法科大学院試験まで約1〜2ヶ月。皆さんの良い結果が届くことを1人の先輩として願っています。
頑張ってください。

*1:2022年度入学者選抜試験要項(早稲田大学