Symphonikerの音楽鑑賞日記

クラシック音楽を趣味とする早大生

【都響】プロムナードコンサートNo.398 in サントリーホール

introduction

 今回は、都響】プロムナードコンサートNo.398。学部生時代にはよく東京都交響楽団を聴きに行ったのだがここ最近まるっきり聴きに行っていなかった。いつ以来だろう?ということで調べたら、2019年12月24日「都響スペシャル『第九』」(指揮:レオシュ・スワロフスキー)以来のことだそうだ。2年8ヶ月ぶりとなる都響である。とても楽しみな気持ちでいっぱいであるし、やや懐かしい気持ちでいっぱいである。そして、指揮者は、東京都交響楽団終身名誉指揮者小泉和裕先生。これはもう素晴らしい。演奏開始前から素晴らしい演奏が期待できる。
 さて、プログラムは、ドイツのベートヴェンイタリアのレスピーギという構成になっている。大体のプログラムは、ドイツ系やロシア系、アメリカ系とその地の作曲家で構成するものが多いが、これはまた面白い。特に、小泉先生の指揮によるベートーヴェン交響曲第6番へ長調『田園』はかなり豪華な気がする。どのような田園風景が広がるのだろう。とても楽しみである。なお、このベートーヴェン交響曲第6番へ長調『田園』について、非詳細な解説を執筆したので、興味ある方は一読されたい。
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 そして、目玉は最後のレスピーギ交響詩「ローマの松」だろう。この曲はマーラーに匹敵するような豪華で迫力あるフィナーレが待っているのである。渾身の小泉先生に基づく圧倒的フィナーレを期待している。ちなみに、レスピーギはかなり緻密なオーケストレーションを得意としているのだが、指揮者によってはイマイチなフィナーレがある。したがって、どの指揮者がやっても素晴らしいフィナーレになるとは限らないというのが私見である。小泉先生は数々の演奏を凌駕するのではないかという大きな期待を抱いている
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本日のプログラム

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ベートーヴェン交響曲第6番へ長調『田園』

第1楽章:Allegro Ma Non Troppo

 全体を通して標準的なテンポ。何よりも、久しぶりの都響サウンドを聴いたのだが、驚くほど鮮麗な弦楽器の音色に恍惚となった。そして、第1主題は、師匠カラヤンの演奏とはやや対照的に自然豊かな田園風景を描くような明るく、美しい音色を奏でていた。鮮麗な弦楽器が鳴り響く第1主題は非常に印象的だった。続いて、第2主題は、C-Durでやや重厚感のある音色を奏でながら滑らかに演奏されていた。それを彩るかのように木管楽器の爽やかな音色も非常に印象的。
 そして、師匠カラヤン同様に繰り返しなし。そのまま展開部へ。第1主題を断片的に繰り返す展開部なのであるが、今回は弦楽器がよく鳴っていた印象を受ける。キレのが要求される部分と、滑らかな演奏が要求される部分がある展開部であるが、すべて自然に演奏されていた。力強くも滑らかに指揮をする小泉先生には貫禄が溢れていた。
 再現部では、提示部第1主題ではf(フォルテ)であるのに対して、再現部ではff(フォルテッシモ)になっていることがよくわかる演奏であった。よりいっそ明るさを増していた。そして、第2主題も明るさを増し、力強さが加わった演奏であった
 コーダでは、小泉先生の渾身の指揮法に乗って弦楽器がうねるうねる。そして、徐々に音量を落として第2楽章へ。

第2楽章:Andante Molto Mosso

 小泉先生はカラヤンほどの快速的テンポではなく、自然体でこの曲に臨んでいることが推測できた
 提示部はうねるようなヴァイオリンとチェロの音色が柔らかくし、そして第1主題を清らかで美しいヴァイオリンが彩っていた。その後の、ファゴットとチェロの低音による第2主題も非常に穏やかであった。小泉先生の大らかで包み込むような指揮法から生み出される音楽は素晴らしい音を引き出す。
 展開部では、弦楽器よりも木管楽器が主役となる。弦楽器と同様に木管楽器美しく高らかな音色で鳥の鳴き声を再現するかのようであった。特に、フルートとクラリネットの音色が素晴らしかったのが印象的
 再現部も提示部同様に自然体で落ち着いた音色を響かせていた。
 そして、コーダのフルート・オーボエ・クライネットによる鳥の囀りの再現は、さすが注目すべきところであるから静寂に包まれた。そのなか、見事に鳥の囀りを再現していたのが本当に素晴らしかった

第3楽章:Allegro

 穏やかな第2楽章から一変して、第1楽章のような雰囲気に戻る。冒頭は弦楽器と木管楽器による合奏になるが、第1楽章同様に美しい音色が響き渡った。そして、第3楽章から金管楽器が徐々に活躍していくのだが、相変わらず堂々としたホルンの音色が響き渡った。その後、ホルンは美しく雄大な音色も奏でていた。
 トリオでは、今回頑張っている弦楽器であるがその音量に負けずに高らかなにフルートが鳴り響いており、ハリのあるトランペットの音色も健在しており、各々の楽器の音色が十分に響き渡っていたのが本当に素晴らしかった
 そして驚いたのが、第3楽章も繰り返さなかった。ここまでカラヤンの音楽を継承するとは思わなかった(本当に繰り返さなかった)。
 そして、一気に第4楽章へ。

第4楽章:Allegro

 嵐が来る。ここで小泉先生の指揮も慎重かつ緊張感が伝わった
 弦楽器の音色も非常に繊細な響きをしていた。そして、随時、G音が鳴り響くのだがその迫力も素晴らしかった。そして、頂点部になるとピッコロの音色が響き渡る部分がある。大体は他の楽器にかき消されてしまうのだが、今回はしっかりとピッコロの音色が響き渡っており、驚きと共に圧倒された。やはりそうでなければならない。
 そして、圧倒的な頂点部を形成した後、一気に落ち着いた雰囲気となり、第5楽章へ入る準備へ移った。
 あれだけ緊張感のあった弦楽器が今度は美しく、木管楽器も美しく奏でられていた。

第5楽章:Allegretto

 そして、クラリネットとホルンが穏やかで柔らかい音色で第5楽章をあける。提示部は、第1楽章と同様に、ヴァイオリンが鮮麗な音色で第1主題を奏でていく。そして、第2ヴァイオリン→ホルンと第1主題を奏でていくのだが、ヴァイオリンのトレモロと共に雄大なホルンの音色が響き渡った経過句のチェロとヴァイオリンの音色も重厚感のある音色を響かせながら素晴らしい音色を奏でていた。第2主題のハ長調のクレッシェンドも自然な強弱で自然体を貫いていた。
 展開部に入ると、第1主題が主に扱われるが、鮮麗な音色を響かせる弦楽器と自然体で穏やかな音色を奏でる木管楽器が非常に印象的だった
 再現部は変則的な第1主題が奏でられる。小泉先生の指揮では非常にはっきりとヴァイオリンの音色がはっきり聴こえ、滑らかな音色ながら非常に美しく、壮大なハーモニーが響き渡った。素晴らしい時間だった。その後の経過句も重厚感ある音色が響き渡っていた。
 そして、長いコーダに入る。基本的に静寂な雰囲気であるが頂点部が2度ある。そこでは、鮮麗な音色を響かせる弦楽器のトレモロが溢れんばかりに壮大に奏でられており、その中でチェロ等の低弦楽器が重厚感ある音色を響かせていた
 その後も美しい音楽が続いており、優しく終了した。
クレッシェンドも自然な強弱である。

レスピーギ交響詩「ローマの噴水」

第1部:夜明けのジュリアの谷の噴水 - La Fontane Di Valle Giulia All'albe

 ヴァイオリンの繊細な弦楽器の音色が響く中、穏やかで美しい木管楽器オーボエ)が奏でられる。まさに「夜明け」を再現しているようだ。それにしても、久しぶりの都響だったが、木管楽器がより一層美しい音色が奏でられているようになっていたように思う。この不思議が主題が様々な楽器で繰り返されるのだが、ピッコロの音色も耳が痛くならない音色で素晴らしかった
 そして、この部はオーボエが大活躍する。

第2部:朝のトリトンの噴水 - La Fontane Di Tritone Al Mattino

 第2部は強烈なホルンのファンファーレで幕を開ける。朝にしてはやや荒々しい雰囲気もしないまでもないが…。
 それにしても、相変わらずの堂々たる都響のホルンであった。やや行進曲的で勇ましい雰囲気のある第2部である。木管楽器の軽快な音色が非常に印象的だった。後半部になると徐々に盛り上がっていき、シンバルが撃たれるのだが、個人的に久しぶりのシンバルのような気がする。

第3部:真昼のトレヴィの泉 - La Fontane Di Trevi Al Meriggio

 そして、4部の中で最も頂点部を形成する第3部。小泉先生の堂々たる指揮から生み出される音は凄まじいものであり、トランペットの音色が非常に迫力のある音色が響き渡っていた。唸る弦楽器が、大海原のような壮大さであり、圧倒的なスケールの大きさに圧倒された
 シンバルのクレッシェンドが非常に素晴らしかった。

第4部:黄昏のメディチ荘の噴水 -La Fontane Di Villa Medici Al Tramonto

 第3部から一気に落ち着いた雰囲気へ一変。第4部ではハープとチェレスタの音色が良く聴こえてくる。繊細な音楽となるのだが、木管楽器の穏やかさが本当に素晴らしい音色であり、フルートも非常に美しかった
 そして、静寂な中で弦楽器がメインとなる。繊細な音色で響き渡るヴァイオリンの音色は非常に神秘的だった
 黄昏のように静かに終わる。

レスピーギ交響詩「ローマの松」

第1部:ボルゲーゼ荘の松 - I pini di Villa Borghese

 煌びやかなオーケストレーションによって幕を開ける。トランペット、木管楽器、そして数々のパーカッションの音色がそれぞれ輝いているように聴こえた。第1部が「ローマの松」の中で最も明るく楽しい雰囲気の曲である。
 木管楽器が冴え渡っており、見事な第1部を彩った

第2部:カタコンバ付近の松 - Pini presso una catacomba

 明るい第1部とは対照的。緊張感のある中、ホルンが低音で主題を奏でいった。重々しい主題を奏でるなか、フルートとファゴットがその緊張を和らげるかのように穏やかな音色を奏でいてた。その後、トランペットのソロ・パートがある。どうやって演奏するのか?と思っていたが、本当に舞台裏で演奏されており、演奏者が出入りするステージの扉が開いて、そこから演奏されていた。出だしが怪しかったが、高音も非常に伸びやかな音色が響き渡っていた。
 その後、頂点部に入るのだが、じわじわとくる低音の主題がたまらない。頂点に達すると、圧倒的な金管楽器よりも上回るほどの唸りまくる弦楽器の主題の音色に驚愕トロンボーンの音色がかき消され気味だった。しかし、その後のホルンの雄大な音色はさすがのひと言であり、都響らしいサウンドが鳴り響いていた

第3部:ジャニコロの松 - I pini del Gianicolo

 そして、ピアノが美しい音色を響かせた後、美しいクラリネットのソロ・パートとなる。今日の都響木管楽器が本当に素晴らしかった。弦楽器ももちろんだが、甘美な音色が響き渡り、本当に美しい音色であり、第3部ではこれが聴きたかったのである。
 途中弦楽器のソロ・パートがあるのだが、コンサートマスターの矢部先生の美しい音色が際立っていた。そして、厚みのある美しい弦楽器が非常に印象的。頂点部の弦楽器のハーモニーはまさに、「美音のシャワーを浴びる」という表現が相応しいであろう
 頂点部が過ぎると、冒頭の美しいクラリネットのソロ・パートとなる。そこで、「夜鶯の鳴き声」が聴こえる箇所になるのだが、2階席の方から聴こえた気がするN響の時はステージ上に蓄音機があったのだが、今回はそれがなかったのでどこから演奏されるのかわからなかった。この「夜鶯の鳴き声」が流れた時、ステージの照明が少し明るくなったような気がするのは気のせいか

第4部:アッピア街道の松 - I pini della Via Appia

 そして、重々しい行進が始まる。チェロとコントラバスによる低弦楽器がリズムを刻んていく上で、木管楽器が主題を奏でる。いつ聴いてもワクワクするもんだ。(おそらく、コーラングレか)のパートが終了したら、いよいよクライマックスに入る。ホルンが低音ながらに主題を奏で、その後のトランペットはバンダから奏でられており、ハリのある音色が届いた。2回目のトランペットも反対側の場所からバンダが奏でられいた。
 そして、圧倒的なフィナーレ!!小泉先生の渾身の指揮によって生み出される音は数々の演奏を凌駕するほどの圧倒的な音色が響き渡る。そして、都響サウンドもいえる、強烈な金管楽器が鳴り響いておりハリのあるトランペットの音色、金管楽器全ての楽器の音色が響き渡っていた。小泉先生の堂々たる指揮も凄まじいものだった。パーカッションも素晴らしく、バスドラムが徐々に強く打たれるのも何か凄まじいものが襲いかかってくるようなものであった
 小泉先生の圧倒的な演奏によって締め括った。本当に素晴らしかった。

総括

 上記の通り、私にとって都響2年8ヶ月ぶりとなる都響である。そして、小泉先生だったせいかわからないが、かつて知っていた都響とはやや異なる音色が響き渡っていた。大迫力のサウンド(今回ももちろん迫力満点)に加え、より格式高い音色になっていたように思う。そして、弦楽器と木管楽器の音色がさらに磨かれており、美しい音色が広がっていた
 何よりも、個人的に東京都交響楽団終身名誉指揮者小泉和裕先生の式による、ベートーヴェン交響曲を聴くことができたことが嬉しい。なによりも、小泉先生でベートーヴェン交響曲を聴きたかったのである。さらに、大迫力の演奏に惹かれて好きになったレスピーギ交響詩「ローマの松」も、一度生で聴いてみたかったのである。それを小泉先生の指揮で聴けるのだから私にとってこの上ないほどのプログラムであり、大満足であった。
 以下、東京都交響楽団の公式インスタ・twitterから本日の演奏等について埋め込んでおく。

 本当に素晴らしいコンサートだった。小泉先生これからもお元気で。

前回のコンサート

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